Metropolis
  <Metropolis>


4人が町を出たのは5日前、そろそろ食料も底をつきはじめたがまだ森を抜け出る様子はない。
先に見えるのは、うっそうと生い茂る木々。

「どこまで行けばいいの?この間の分かれ道、間違えたんだよ!!」

並んで歩いている亜梨馬に、梅流が言った。
少し疲れの見てている愛馬の禅を撫でながら、亜梨馬は梅流の方を見た。

「あそこでこっちの道を選んだのは梅流だろう?」

うっと小さくなる梅流を、すぐ後ろにいた戒厘が慰める。

「まぁまぁ・・、梅流ちゃんにだって悪気があるわけじゃないですし・・・
亜梨ちゃんだって、それでいいって言ったんだから連帯責任ですよ?」

まぁね・・・。という表情で前を見つめる亜梨馬は、少し馬を近づけ、梅流の頭をぽんっと撫でた。

「でもここからどうする?戻ってあっち行ってみる?」

杏が廉の足を止め言った。
禅から降り、今来た道を戻るように歩く。だまって禅は後ろをついてくる。

「禅、ここから飛べるか?」

こくりと頷く禅の身体を擦る。

「悪いが、空から偵察してきてくれ。天と廉は先に戻ってどこかにさっきの道への近道を探してこい。
きっとどこかで繋がってるはずだから。空は一緒に来い・・・」

禅の身体が光り鳳凰へと姿を変え、空に飛び立った。
杏の愛馬廉と、戒厘の愛馬天は、2人が降りた後すぐさま今来た道を掛け戻った。
梅流の愛馬空は、亜梨馬に顔を寄せ心配そうな眼で見つめる。
口にはしないが、「大丈夫だ」と微笑む。



書きこみ日・・・2001/11/14

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