Metropolis
 

天と廉が先に立ち歩くこと数時間、見つけてきた近道には出たが一向に道を抜け出る気配はない。
と・・・亜梨馬は一本の木に目が行った。

「なぁ・・あの木、きっさも見たような気がしないか?」

亜梨馬の問いかけにみんなが頷く。
しばらく行くと、また見覚えのある道に出た。

「・・・・これは・・・迷路か?」
「・・それって、また迷っちゃったてこと??」

ちょっぴり顔を引きつらせて杏が言った。
そんな杏を横目で見て、亜梨馬はひっそりと戒厘に話しかける。

「迷路というよりは、誰かの結界に紛れ込んだみたいだな。
どこかにはられているはずなんだが・・・特定できたか?」
「ええ・・、薄々感づいてはいたんですけどね・・・。
近道に入った瞬間から、何か違和感があったんですが・・・・・」

2人はじっと何度も見た木の方を見つめた。

「あれ・・か・・・」

カチャリと銃を構え、その木を目掛けて銃を打つ。
ガウンッという音が響くと同時に、パリンッと、何が割れるような音が聞こえた。
何事かというように驚いた表情の杏と梅流だったが、その音を聞いてすべてを悟る。

「亜梨姉、もしかして・・・結界に引っかかってたの?」

先導する天と廉が、申し訳なさそうに亜梨馬に顔を摺り寄せてきた。

「天、廉、気にするな。それよりここに結界がはってあったってことは・・・・」
「誰が近くにいるってことだよね」

すっと、杏は錫杖を構えた。



書きこみ日・・・2001/11/16

次へ。

前へ。

Metropolisに戻る。