Metropolis
「ねぇ戒厘ちゃん・・・催牙って誰?」
廉を小さな青龍に変えた杏が戒厘の側に寄ってきた。
「そうですね・・・僕もよく知らないんです・・・それに、僕一番遅く合流したんですよ?
杏ちゃんの方が詳しいんじゃないですか?」
「そっか・・・」
天を玄武に変えた戒厘は天を抱きながら杏にそう言った。
「ただ、一つ言える事は・・・」
「何?」
「僕達の敵で、殺すに値する・・・って事じゃないですか?」
「・・・だから、戒厘ちゃん怖い事笑顔で言わないでったら・・・」
「ごめんなさい癖で・・・(笑)」
二人でゆっくりと亜梨馬と梅流を追っていたが、あまりにも遅かったからか、
痺れを切らせて亜梨馬が叫んだ。
「野垂れ死にたいの戒厘と杏は!!」
「ごめん亜梨ちゃん!!行こうか杏ちゃん!」
「はい!!」
杏と戒厘が二人に合流すると、その周辺の森は寄りいっそう怪しさを増していた。
「こんなに広い森なのに、食料の一つも出てこないんですね・・・」
「出てこない?食料となるような木の実がなってないじゃなくて?」
再び怪しい発言をした戒厘に梅流が尋ねた。
「戒厘は獣が出てこないって言いたいんだろ?」
「そうです♪さすが亜梨ちゃん・・・」
「け・・・獣?厘ちゃん獣食べるの?!」
「だって、肉もとらないと体によくないから・・・」
「できればパスしたいな・・・それに、誰がさばくの?」
「得意そうな人がいるじゃないですか♪ねぇ亜梨ちゃん?」
「殺すぞ・・・」
亜梨馬は銃を戒厘に向けた。
それに戒厘は笑顔を崩すことなく少しずつ横にずれて行った。
「亜梨姉!!」
「止めて亜梨ちゃん!!」
梅流と杏が止めるのも聞かず、亜梨馬は戒厘に向かって銃を放った。
しかし、弾は戒厘に当たることなく横にずれ、木の影の方に飛んで行った。
すると、すぐに誰かの叫び声が聞こえた。
「・・・え?」
「まさか・・・二人ともこれを狙って?」
「たまたまですよ♪ねぇ亜梨ちゃん?」
「さぁな・・・」
亜梨馬は黙ってその声の方に歩き出した。
書きこみ日・・・2001/11/26
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